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2012年7月29日 (日)

TSUTAYAが図書館をやることについて

 公共図書館というのは、自治の基礎だと思う。その昔、アメリカの独立宣言を起草したフランクリンは図書館クラブを始めた人だ。自治や自由のためには図書館が必要であることを知っていたからだ。
 だから、そもそも、図書館の全面的委託とか指定管理ということについては、基本的には賛成できない。
 民間企業のTSUTAYAが利益ではなく、地域の自治や自由を最優先に考えるのかどうかというのは、正直、疑問だけど、今の、地方自治体の状態を見ていると、地方自治体自体が、地域の自治や自由を最優先に考えているのか怪しいところもあるから、あんまり決めつけた言い方もできないかもしれない。
 しかし、率直に言って、このような自治体の司書だったら、たぶん、私は辞表を出して、路頭に迷っていると思う。
 司書になりたいという人は、図書館で仕事をしたいのであって、TSUTAYAで仕事をしたいと思っているわけではない。
 誤解がないように言っておきますが、私は代官山の蔦屋書店も面白い書店だと思うし、近くにあるTSUTAYAもいい書店だと思っているし、DVDも借りるし、ドトールでTポイントは貯めるしで使いまくっているので、何の恨みもありませんが、やっぱり、公共図書館と書店とレンタル屋さんとは違うと思うんです。ただ、それだけです。

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2012年7月 1日 (日)

知財国家としての日本と図書館

 日本の先行きはだんだん怪しくなってきている。それは円高だの、あるいは、急にインフレが来るだのそういう話ではない。基礎力がどんどん衰えていると思うのだ。
 農業の生産性は昔に比べれば高い。だから、なんら程度の高い生活を望まなければ、日本人全員農業に従事していれば、食うには困らないのではないだろうか。そういう意味では砂漠だらけのところや作物もろくに育たないところのように過剰に心配してもしょうがない。
 まあ、そういうふうにして文明国から脱落するのでなければ、これからの日本の進むべき道はただひとつ。日本人は猿真似で創造性がないという汚名を返上することだ。
 ひらたく言えば、知財を大事にするということだが、それ以前に知識資源を大事にしないといけない。そこらじゅうに教育機会と知識資源が満ち溢れている社会にしないといけない。そのために一番充実すべきは大学と図書館だ。
 これは間違いない。

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