コンパクト・シティと図書館
私は以前、車など嫌いだとさんざん書いたが、いくらなんでも地方の県立図書館に駐車場がないというのは無謀だと思う。それでは、図書館に来るなと言っているのと同じだ。車を使えない人だって、バスに乗って行けるようにしておけばよい。ただし、障害者が乗れるバスにしておくことは必須だ。
コンパクト・シティという発想は目指すべき発想だが、県立図書館とそれをいっしょにするのは極めて変だ。どうしても規模を大きくせざるを得ないものを小さな中心市街地に持っていくのは、むしろ間違いだ。
高知県立図書館というところは、都道府県立図書館でもっとも小さい。
現状が小さいから、県立図書館は本来、大きいものだということを当地の人は知らないんじゃないだろうか?
でも、知事などは東京の大学に行っているのだから、知らないはずはないと思うのだが、とても不思議だ。
大きなものに「コンパクト」になれというのは魔法じゃあるまいし無茶な相談だ。
中心市街地のように建てこんでいるところには、図書館の分館などを持ってくるのが一番良い。あるいは、商店街の空き店舗そのものを商店街の図書館にしてしまえばよいのだ。こういうのはNPOが運営してもよいと思う。もっと商店街そのものが主体的にならないと、どうせダメだと思う。行政のハコモノに期待する商店街なんてダメだと思う。
コンパクト・シティというのが、何か商店街の活性化といっしょくたになっているが、厳密には区別されるべきだ。生活の利便性を考えると、いちいち車に乗らなくても、ある程度用が足せるということが重要なのだ。だから、図書館などは、市町村でも分館も含めたくさんつくるべきだし、そこに本を貸す県立図書館は多量のストックのために、むしろ郊外にでも建てた方がよいのだ。そんなに県立図書館が前面に出てくることはない。
たぶん、田舎で図書館が身近になく、図書館を利用するということは、近くの図書館を通じて、日本全体の図書館を利用するということが定着していないのだろう。だから、ビッグな図書館が街の真ん中にできることの方を選んでしまうのだろう。典型的な地方のダメパターン思考だと思う。古臭い考え方だ。
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