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2006年4月27日 (木)

教育基本法 第2条

改正案 第2条(教育の目標)

 教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。

1 幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。

2 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業および生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。

3 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。

4 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。

5 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。


現行法(教育の方針)

 教育の目的は、あらゆる機会に、あらゆる場所において実現されなければならない。この目的を達成するためには、学問の自由を尊重し、実際生活に即し、自発的精神を養い、自他の敬愛と協力によって、文化の創造と発展に貢献するように努めなければならない。


どこが違うか?

 厳密には現行法第2条と改正案第2条は対応しないだろう。現行法第1条で述べられていたことが、改正案第2条で展開され、現行法第2条で述べられていることは、改正案第4条にまとめられている形になっている。
 現行法第1条になくて、改正案第2条に盛り込まれているのは、道徳心、公共の精神、自然を大切にする態度、そして、例の愛国心にあたる(?)「我が国と郷土を愛する・・・態度」という表現などである。
 ちなみに、現行法での表現では「愛する」目的になっているのは、「真理と正義」である。改正案では、「真理と正義」は「希求する」ものになっており、現行法で「希求する」のは「真理と平和」である。この微妙な違いは何か? 共通部分である「真理」を除くと、現行法では、「正義を愛し、平和を希求する」ということになり、改正案では、「我が国と郷土を愛し、正義を希求し、平和に貢献することを願う」(改正案前文も参照すると)ということになる。平和をダイレクトに希求するのと、平和に貢献することを願うは同じようでいて、微妙のようでありながら、大きな違いがある。たとえば、PKOは、平和を希求する立場からすると、若干、疑問が生じるが、平和への貢献ということでは、なんとなく、その疑問の生じる余地が少なくなるように見える。レトリックと言えば、レトリックだが、こういう言葉のあやがいいように使われるのが法律だから恐ろしい。

 「愛する」という言葉に着目すると、現行法では「正義」だったのが、改正案では「我が国と郷土」になっている。「自然」については「大切にする」と改正案では表現されているから、「大切にする」と「愛する」には差異がある。「正義」は愛するものから「希求する」ものとなり、代わりに「我が国と郷土」が愛するものになっている。それで、この愛するものを最優先すると、上の方で述べた表現となり、なかなか、世界平和も限定的なものに見えてくる。これで、憲法も改正され、憲法の前文に掲げられた、世界平和が日本の生存と発展の前提という中身がなくなると、この「平和の理想」ははなはだ縮小したものとなる。ずいぶん手の込んだことをしているが、やはり、この改正案は危険だ。

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» 「新教育基本法案」へのツッコミ本番。 [成城トランスカレッジ! ―人文系NEWS & COLUMN―]
昨日、急いで「現行教育基本法と「教育基本法改正案」の比較 」を作りましたので、役立てば幸いです。 さて、ネット上を巡回してみると、特に「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」部分を中心に、「法案」へのツッコミが少しずつ行われているようなので、まとめていきたいと思います。皆様からの「自分もツッコミしたよ」TB大歓迎です。 ... [続きを読む]

受信: 2006年4月28日 (金) 02時45分

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